Ryzen 7000 Lapping ToolはAMDのAM5プロセッサーシリーズのヒートスプレッダを研削するために開発されました。AM5 ラッピングツールの公差はヒートスプレッダを 0.4 ミリメートルずつ、合計 1.6 ミリメートルの高さまで段階的に研磨することが可能です。通常のAMDマウントフレーム(SAM)を使用した場合、中段まで最大1.0mmのサンディングが行われます。さらに0.6mmを確保するには、適切なAM5コンタクトフレーム(近日発売予定)などを用いてCPUを搭載した場合のみ可能です。AM5ラッピングツールのステップには、ダイヤモンドミル加工が施され、高い透明度を実現しています。これにより、ステップに到達・あるいは未到達か、研削中に見えるようになります。
- AM5 CPU研磨を簡素化
- CNC切削加工によるアクリルガラス
- 紙やすりのセット一式
- 一回限りの使用
なぜサンディング・ラッピングを行うのか?
ヒートスプレッダを研磨、つまりラッピングする場合、通常はヒートスプレッダの上面だけを平らにすることが多いのですがこれは製造工程上、多少湾曲しているためです。特にベースプレートも研磨されている場合は、ラッピングすることでCPUクーラーのベースプレートとの接触が良くなります。この最適化された接触により、CPUの熱パワーの損失をよりよく逃がすことが可能となりました。


しかし、Ryzen 7000 Lapping Toolは、通常の0.2ミリを大きく超えるヒートスプレッダの制御除去を行うことが出来ます。これによりヒートスプレッダとCPUクーラーの接触面積が増えるだけでなく、廃熱がAM5ヒートスプレッダ内を伝導する経路を減らすことができるはずです。AM4ソケット用の旧型CPUクーラーをAM5ソケットでも継続して使用できるようにするために、AM5用ヒートスプレッダを必要以上に厚く設計する必要がありました。これは特に動作中のCPU温度の上昇を招くこととなりました。
アメリカ人コンテンツクリエイター兼テック・ユーチューバーの「JayzTwoCents」氏は、360mm AiOを使用したRyzen 9 7950Xでヒートスプレッダを研磨することにより、全コアの最低限高いブーストクロックで最大5℃低い温度を達成することに成功したそうです。Kryonaut Extremeサーマルペーストとの組み合わせにより、10℃の低温化(市販のサーマルペーストとの比較)も実現しました。Ryzen 9 7950Xの全コアを5.4GHzに適度にオーバークロックしても、テストシステムは温度制限の95℃を4℃も下回る結果となったのです。
CPUを研磨すると、保証が受けられなくなることになるのでご注意ください。IHSとCPUクーラーのベースプレートとの接触面を可能な限り大きくするためにも、後者も研削する必要があります。
テクニカルデータ
- 長さ: 60 mm
- 幅: 60 mm
- 高さ: 9.3 mm
- 材質: アクリルガラス
- 色: 透明
納品範囲
- AM5ラッピングツール x1
- スクリュー x4
- ワッシャー x4
- アングルスパナ x1
- 400グリット紙やすりx1
- 1.200グリット紙やすりx1
- 2.500 グリット紙やすりx1